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不動産売買でお困りの方へ / 不動産売却に必要な費用

3,800万円で買った土地つきの戸建ての家だから、 3,000万円で売った仮定して。 3,000万円あったらハワイに移住して……。
おやおや? 新人君は不動産を売却する予定があるのかな?
いいえ、ないです。(キッパリ!) 親戚が購入した家を使って妄想していました♪
そういうことでしたか。 しかし、会計事務所勤務ですから、もう少しリアルな妄想をしましょう。 3,000万円で売ったとしても、全額が自由になるとは限らないのですよ。
そうなのですか? たとえば、クッキーを焼いて500円で売ったら、500円はわたしのものですよ!
クッキーを販売するには、材料を仕入れたり、光熱費を使って焼きますよね。 不動産を売る場合も、そういった費用がかかります。 場合によっては、売却の後に税金を支払わねばならない場合もあるのですよ。
たしかに、クッキーもタダでは焼けないですね……。 先生、その不動産売買の費用って、どのくらいかかるのでしょう?
この機会に、不動産の売却にどのような費用が必要か、勉強してみましょう。
1. 住宅の売却に必要な費用
2. 媒介手数料
3. 不動産の譲渡・売却に関する税金

では、ひとつずつ解説していきましょう。

不動産売買でお困りの方へ / 不動産売却に必要な費用 ポイント解説

家は一生に一度の買い物といわれます。ですので、家の売却経験が豊富な人は少ないでしょう。
家の売却関連の知識がなく、予想以上に費用や税金がかかってしまった……ということにもなりかねません。
不動産の売却を検討しているなら、費用や税金について事前に把握し、予測しておくとよいでしょう。

1. 住宅の売却に必要な費用

家の売却の際に必要になる費用には、主に、以下のものがあります。

[ 家の売却で必要になる主な費用 ]

  • 媒介手数料
  • 登記費用
  • リフォーム費用
  • 各種調査・診断費用(耐震、地盤等)
  • 修理・補修・交換費用
  • クリーニング費用
  • 引っ越し費用
  • 税金
  • 売買契約書の印紙
  • 必要書類の費用(印鑑証明、住民票等) …… 等

築年数や居住年数、引き渡す際の状態などによって、かかってくる費用は大きく異なります。
耐震工事や補修工事、リフォームが必要な場合は、かなりの費用がかかると認識しておきましょう。
また、現在居住している家を売却する場合は、当然のことながら、次に住む家の準備の費用と引っ越し費用も必要となります。

では、この中から計算式があるものを詳しく解説しましょう。

2. 媒介手数料

不動産の売買は一般的に、不動産業者を通して行われます。
媒介手数料は、依頼主と免許を有する不動産業者との間に媒介契約が成立した上で、その業者の媒介行為によって売買契約が成立した場合に発生します。
つまり、契約をしただけだったり、売買契約に至らなかったりした場合は発生しない、成功報酬です。
新築マンションや新築一戸建ての場合は、媒介手数料の有無がさまざまなのですが、中古マンションや中古一戸建て、土地の場合は、ほとんどが不動産業者の媒介にって売買契約に至るため、媒介手数料を必要とします。

国土交通省では『宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額』(昭和45年建設省告示第1552号)によって、媒介手数料の上限額を定めています。

[ 媒介手数料の上限 ]

200万円以下の金額 5.25%
200万円を超え、400万円以下の金額 4.20%
400万円を超える金額 3.15%

400万円を超える場合の媒介手数料の速算法として、以下のものを覚えておくと良いでしょう。

媒介手数料(上限) = 売買価格(税抜き) × 3.15% + 63,000円

媒介手数料は、売買価格に消費税が含まれている場合、消費税額を除いた本体価格で計算します。

[ 媒介手数料の計算例 ]

土地 1,500万円
建物 2,000万円
建物消費税 100万円
合計 3,600万円

媒介手数料は消費税を除いた本体価格で計算する

(1,500万 + 2,000万円) × 3.15% + 63,000円 =1,165500円

なお、この計算式によって算出する金額は、あくまでも媒介手数料の上限額です。この金額が必ず必要となるとは限りません。

また、媒介手数料以外に、広告費や出張費などを実費請求されるケースがあります。
広告費は売主から依頼があった場合に発生するものであり、出張費は事前に売主の承諾を得た範囲内で行うものといえます。
媒介手数料の金額や支払い時期と合わせて、媒介契約時に確認しておくと良いでしょう。
いざ売買契約となったときに「やはり決済時全額払いに変更したい」と申し出ても、難しい場合もあります。契約の段階で確認しておきましょう。

3. 不動産の譲渡・売却に関する税金

家を売却するとき、まず確認すべき点はその家が“居住用財産”かどうか、です。
居住用財産とは、所有者本人が現在住んでいる家屋とその敷地のことですが、住まなくなってから3年目の年の12月31日までに売却した場合は、居住用財産となります。
単身赴任などで所有者本人が住んでいない場合も、家族が住んでいれば居住用財産の特例の適用が可能です。

居住用財産の場合、所有期間に関係なく3,000万円の特別控除が可能ですので、この適用要件を満たせば、利益3,000万円まで税金がかかりません。
そのほかにも、住居用財産の譲渡・売却にはさまざまな特例があります。

[ 住居用財産を譲渡・売却した場合の特例 ]

譲渡・売却
による
所有期間 適用特例 控除額
利益あり 10年超 買い換える 特定の住居用財産の買換えの特例
買い換えない
買い換え特例
を使わない
3,000万円の特別控除 + 軽減税率の特例
5年超
10年以下
3,000万円の特別控除の特例
控除しきれない利益について、長期譲渡所得の一般税率
(所得税15%、住民税5%)
5年以下 3,000万円の特別控除の特例
控除しきれない利益について、短期譲渡所得の一般税率
(所得税30%、住民税9%)
損失あり 5年超 買い換える 住居用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
買い換えない 特定住居用財産のの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
5年以下 適用される特例なし

なお、土地の減価償却はありませんが、住宅は減価償却が必要です。
例えば、3,000万円で購入した住宅を3,000万円で売却した場合、減価償却分があるので利益が出る計算になります。

居住用建物の減価償却費の計算は以下の通りです。

減価償却費 = 取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

この計算式における償却率とは、法定耐用年数の1.5倍の年数に対応する定額法の償却率で、木造は0.031、鉄筋コンクリート造および鉄骨鉄筋コンクリート造は0.015となります。

3,000万円で購入した木造の居住用建物を10年後に売却する場合の減価償却費を計算してみましょう。

3,000万円 × 0.9 × 償却費 0.031 × 経過年数 10年 = 837万円

※この計算はあくまでも居住用建物の場合です。業務用の建物や貸住宅の減価償却法は、別の計算式となります。居住用財産以外の建物等を売却したい場合は、専門家にご確認ください。

さて、控除額が計算できました。
最後に、税金の計算をしてみましょう。

譲渡所得税は、不動産売却によって得た利益に対して発生する税金です。譲渡所得額は、以下の計算式によって算出します。

譲渡所得 = 譲渡収入 - ( 取得費 + 譲渡費用 )

取得費の計算は、以下の通りです。

取得費 = ( 売却した物件の購入代金 + 購入費用 ) - 建物の減価償却費
取得費 = 譲渡収入金額の5%

取得時の価格が記載されている売買契約書等が保管されていなかった場合、『 譲渡収入額の5% 』という計算式を採用することとなります。
各種契約書や領収書を保管し、記録を残しておきましょう。

この計算で、譲渡所得が0円以下ならば、税金は発生しません。
譲渡所得がプラスでも、特別控除の特例等が適用できれば税金が発生しない場合もあります。
さまざまな特例があり、いくつもの計算が入り組んで所得税が算出されるため、正確な金額の把握は専門家への依頼をおすすめいたします。

不動産売却費用についてご案内いたしましたが、ご不明な点・ご相談等がございましたら、お気軽に吉澤会計事務所までお問い合わせください。

税理士法人吉澤会計事務所
長野県松本市蟻ケ崎1-3-6
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