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相続でお悩みのかたへ / 相続税の改正について

先生、相続税が改正されると聞きましたが、本当ですか?
本当ですよ。平成27年の1月1日以降の相続から適用になります。
現状の申告割合は4%程度といわれていますが、改正後は6%程度に上昇すると予想されているようですよ。
相続税の申告割合が増えるということは、申告の対象となる人が増えるということでしょうか?
その通り。基礎控除が現状の6割に縮小されるからなのです。法定相続人が2人の場合の場合で比較してみましょう。現行では基礎控除によって7,000万円まで申告不要なのですが、改正後、つまり平成27年1月1日以降に発生した相続の場合は4,200万円まで。それ以上の場合は申告が必要になるのです。
現行では対象とならない人も、改正後は対象となる可能性があるので注意が必要ですね。
相続税の一部税率アップの改正もあるので、そこも要注意です。同時に、緩和措置もあります。未成年者や障害者の控除拡大などですね。こういった情報も見逃してはいけませんよ。
知らないだけで損してしまうかもしれないのですね。
先生、さらに詳しく教えてください!
わかりました。改正点を簡単にまとめると、ポイントは5つです。
1. 相続税の基礎控除額が縮小する
2. 相続税の税率の一部がアップする
3. 未成年者・障害者への控除が拡大される
4. 小規模宅地等の特例の適用範囲が拡大される
5. 贈与税も改正される

では、ひとつずつ解説していきましょう。

相続でお悩みのかたへ / 相続税の改正について ポイント解説

1. 相続税の基礎控除額が縮小する

基礎控除が現状の6割に縮小されます。

現行の相続税の基礎控除額は 『5,000万円+1,000万円×相続法定人の数』 。
改正後は 『3,000万円+600万円×相続法定人の数』 となります。
遺産が基礎控除額を超える場合は、相続税の申請が必要になります。

[ 現行の基礎控除額 ]

法定相続人の数 基礎控除額
1人 5,000万+1,000万
6,000万円
2人 5,000万+2,000万
7,000万円
3人 5,000万+3,000万
8,000万円
4人 5,000万+4,000万
9,000万円
5人 5,000万+5,000万
1億円

[ 改正後の基礎控除額 ]

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,000万+600万
3,600万円
2人 3,000万+1,200万
4,200万円
3人 3,000万+1,800万
4,800万円
4人 3,000万+2,400万
9,000万円
5人 3,000万+3,000万
6,000万円

※ 平成27年1月1日以降に発生した相続から適用となるため、申告がそれより後でも、適用時期より前に亡くなった相続の場合は、改正前の基礎控除額となります。

2. 相続税の税率の一部がアップする

改正後は2億円を超える場合の相続税の税率がアップします。

[ 相続税早見表 ]

法定相続人の
取得金額
現行 改正後
税率 控除額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,700万円 50% 4,700万円
6億円超 55% 7,200万円

法定相続人の取得金額とは、遺産額すべてではなく、基礎控除額を引いて法定相続人の数で分けたものを指します。
その金額が2億円以上の場合の税率アップなので、遺産額の大きい人が対象となる改定といえます。

[ 参考例 ] 設定 : 法廷相続人が子2人で、遺産5億円

法廷相続人が子2人で、遺産5億円図表

3. 未成年者・障害者への控除が拡大される

相続税増税に対する緩和措置のひとつとして、未成年者と障害者に対する控除が拡大されます。

[ 未成年者控除・障害者控除 ]

  現行 改定後
未成年者控除 20歳になるまでの1年につき6万円 20歳になるまでの1年につき10万円
障害者控除 85歳になるまでの1年につき6万円
(特別障害者 ※ の場合は1年につき12万円)
85歳になるまでの1年につき10万円
(特別障害者 ※ の場合は1年につき20万円

※ 特別障害者 …… 障害者1級・2級

法定相続人が未成年でなおかつ障害者の場合は、両方の控除が受けられます。
また、本人の相続税額から控除しきれない場合は、同じ相続で財産を取得した扶養義務者の相続税額から控除できます。

[ 参考例 ] 設定 : 相続人が18歳の特別障害者

改正後

  1. 未成年者控除
    (20歳 - 18歳) × 10万円 = 20万円
  2. 障害者控除
    (85歳 - 18歳) × 20万円 = 1,340万円 合計 1,360万円
    ※本人の相続税額から控除しきれない場合は、同じ相続で財産を取得した扶養義務者の相続税額から控除できます。

4. 小規模宅地等の特例の適用範囲が拡大される

もうひとつの増税緩和措置として、小規模宅地等の特例の適用範囲拡大があります。
特定住居用宅地等について、被相続人等の自宅の敷地が80%減額されるのですが、その限度面積が、現行の240平米から330平米に拡大されます。
これにより限度面積の拡大により減額が増え、相続税を計算する際に算入する額が少なくなります。

[ 参考例 ] 設定 : 路線価35万円/平米 350平米の自宅の評価

自宅の評価   35万円 × 350平米 1億2250万円
小規模宅地等の特例の減額   35万円 × 80% × 330平米 9240万円
相続税の計算に算入する額   1億2250万円- 9240万円 3010万円

自宅面積が240平米を超える場合だけでなく、アパートや駐車場の賃貸物件を所有している場合にもメリットがあります。また、被相続人等が事業をしている土地がある場合に受けられる減額もあります。
改正後は最大730平米まで小規模宅地等の特例の適用が受けられる可能性がありますので、お気軽にご相談ください。

5. 贈与税も改正される

贈与税も同じ平成27年1月1日以降の贈与から適用となる改正があります。
税率が減ったり、控除額が増えたりという変更によって、贈与税は若干安くなります。この改正によって21億円程度の減税といわれています。

[ 贈与税早見表 ]

基礎控除後の
課税価格
現行 改正後
20歳以上の者が直接尊属から贈与を受けた場合 左記以外の場合
税率 控除額 税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 0円 10% 0円 10% 0円
300万円以下 15% 10万円 15% 10万円 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円 20% 30万円 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円 40% 125万円
1,500万円以下 50% 225万円 40% 190万円 45% 175万円
3,000万円以下 45% 265万円 50% 250万円
4,500万円以下 50% 415万円 55% 400万円
4,500万円超 55% 640万円

この改定と同時に、相続時精算課税の適用対象者が拡大されます。

・ 贈与者

  現行 65歳以上
  改正後 60歳以上

・ 受贈者

  現行 20歳以上の子
(子が既に亡くなっていて推定相続人になっている孫を含む)
  改正後 20歳以上の孫も加える

また、教育資金の一括贈与に関わる非課税措置が創設されます。
ただし、この改正は、平成25年4月1日から平成27年12月31日までに拠出されたものに限られます。

[ 教育資金の一括贈与に関わる非課税措置 ]

  現行 教育費を支払の都度、贈与するなら贈与税の非課税(このまま存続)
  改正後 直系卑属(子・孫・曾孫)に対して、銀行等を通じて教育資金を贈る場合は1,500万円まで非課税

年齢の条件があります。また、申告書の提出も必要ですので、専門家への相談をおすすめいたします。

相続税の改定ポイントについてご案内いたしましたが、ご不明な点・ご相談等がございましたら、お気軽に吉澤会計事務所までお問い合わせください。

税理士法人吉澤会計事務所
長野県松本市蟻ケ崎1-3-6
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